兔を持つ故事、成語、熟語五選
守株待兎この成語の概説
偶然の幸運に味をしめて、また同じ偶然を期待して待つという愚かな行為のこと。ウサギを待って、切り株を見張るという意味。また、古い慣習に固執する愚かさのたとえ。
出典
中国春秋時代、宋のひとりの農夫が、ある時自分の目の前で兎が木の切り株にぶつかって死んだので手に入れることができた、それ以来毎日その切り株のところで見張りをして、うまい話が二度あることを心待ちにしていたという説話から。(韓非子) この逸話は「待ちぼうけ」という歌にも歌われている。
兎死狗烹この成語の概説
兎が死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、最悪、煮て喰われてしまうという意味
出典
史記 淮陰候列伝
漢の国王劉邦が、楚の覇王項羽を打ち破って、すぐに韓信が楚の王に任じられていたが、 その韓信の下に長年自分を苦しめてきた鐘離昩がいた。劉邦は韓信と鐘離昩を一緒にしておくと自分を脅かすと恐れ、何とか鐘離昩ともども取り除こうとした。そこで、劉邦は『韓信に謀反の意あり』と諸侯の軍を招集し韓信を討とうとした。そこで韓進は恐れをなし、鐘離昩に相談をした。
鐘離昩曰く「高祖が楚を襲撃しないのは君の所に僕がいるからだ。もし君が僕の首を劉邦に差し出すようなことをすれば、君もたちまちやられるよ。君がそんな人間だったとは。それならわしは死んでやるから僕の首を劉邦にもっていくがいい。そして自分の眼で確かめることだ。」といって、自らの首を刎ねてしまった。その首をもって韓信は、劉邦の所に赴いたが、果たして鐘離昩の言う通り謀反人として捕縛されてしまった。
韓信は自分の浅知恵を悔しがり、「ああ、『兎死狗烹』(狡い兔死んで良狗烹られ、高い鳥つきて良弓蔵れ、敵国敗れて謀臣滅ぶ」と後悔したが後の祭り。 兎死狗烹はここからきている。
兔子不吃窝边草この成語の概説
賢い兔は自分の巣穴の周りの草は食べないものだ。生活の安全は、身の回りを注意することから始めるべきだという戒め。
故事
中国の山深い田舎に、一匹の母ウサギと2匹の子ウサギが住んでいた。一匹は灰色兔で、もう一匹は黒色兔でした。母ウサギは子ウサギたちにいつも、「いいかい、自分の巣穴の周りの草は食べてはいけないよ。人間の猟師がやってきて巣穴が見つかると、すぐにとって食べられてしまうよ」。やがて子ウサギたちが成長し母ウサギと別々に暮らし始めました。灰色ウサギは母ウサギの言いつけをまもり、食事をするときは自分の巣穴から遠くに出かけて行って、草を食べていました。
ところが、黑ウサギは最初の内は母親の言いつけをよく守っていましたが、何にも起こらない日が続くと、遠くまで行って食事の草を食べるのが面倒になり、少しずつす穴の周りの草を食べるようになりました。そして、いつの間にか自分の巣の周りの草はすっかりなくなり、巣穴の入り口がはっきりと分かるようになってしまいました。
ある日のこと、人間の猟師が現れ、黑ウサギの巣穴はすぐに見つかり黑ウサギはたちまち捕まってしまいました。
一方灰色ウサギの巣穴は草に覆われていたため猟師に見つからず、いつまでも元気に暮らしたということです。
兔角牛翼この成語の概説
兔には角は生えず、牛には長い翼はない。出典
条理に合わないことの比喩。「兎角」という言葉もこの言葉からできたという説もある
狡兔三窟成語の概説
すばしこいウサギは多くの隠れ穴を持ち、あらかじめ逃げ道を用意しておき、巧みに身の安全を図ること
出典:《战国策•齐策四》
“狡兔有三窟,仅得兔其死耳。
春秋時代、斉の国の孟嘗君という名士の下に冯谖という食客がいました。彼は「ふつうは賢いウサギは皆3つの洞窟を持つならば、緊急の時追手から逃れて、死ぬことは一死はのがれる。但し身を隠す場所が一つだけだとまだ枕を高くして寝ることはできない。」といって、更なる安全策をとるように促したという逸話がある。
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